【2】運送業で新事業立ち上げの営業コンサルティング

創業27年、社長が裸一貫で軽貨物運送から事業を興して売上高は1.9億円、現在は従業員数30名を超える運送業。機械や什器備品の設置、いわゆる据え付け業が売上の50%を占める特徴的専門知識を武器に売上を伸ばしています。大手運送会社の下で働く運送業の世界で、利益率の高い元請けへの転換を模索。自社で引っ越し事業の立ち上げを試みたものの、営業のやり方が分からずコンサルティングを依頼されました。現業の業績は右肩上がりなので現在の経営を維持しつつ、利益率のアップや元請けに振り回されない新事業を立ち上げて、下請け事業比率を減らしたい。そのための営業コンサルティングとノウハウの提供を希望されるとのことでした。

「現業+自主企画のプライベートブランドビジネスの構築」

弊社が最も得意とするコンサルティングのひとつです。現業のオンリーワン事業から多種目展開への分散経営と元請け新事業の発掘コンサルティングでの依頼です。今回は個人向けの引っ越しという社長の思惑がある程度決まっていた様子で、営業コンサルティングの仕組化と営業指導に注力したいと思っていらっしゃいました。

事業全体を把握するための「業務フローリスクマップ」を開始。経営者から創業当時から現在までの年表履歴をヒアリングして、社長の事業構想と未来ステージ、新事業の方向性を一緒に検討していきます。業務フローリスクマップで会社を分析すると社長が気づいていないこと、見えていないことが分かってきます。

「個人の引っ越しだけで終わるのは勿体ない!」

50%を占める得意分野でもあり会社の強みは「据え付け事業」です。新事業を立ち上がる際に最もリスクが低いやり方は、現業のノウハウを使った提案先が違う事業への転換です。社長に提案したコンサルティングは、荷物の配送時に据え付け営業をアピールして仕掛けること、据え付け工事も依頼ができる引っ越しサービスの提案でした。引っ越し作業はシーズンが偏っていますし、他のライバルも沢山いますから価格競争に巻き込まれやすい業態です。しかし据え付け事業は物を移動して設置する仕事になりますので365日仕事があります。お年寄りがタンスを2階から1階におろして欲しいと依頼を受ければ仕事になります。タンスだけなら勿体ないから、これもあれも移動してもらおうか、移動してもらったら不要なものが出てきたので廃棄して欲しい、生活環境が不便になったのでちょっとしたリフォームもお願いしたい、などなど。ちょっとした据え付け作業でリフォーム工事に至るまでの導線を描いた営業戦略をご提案しました。大手の運送業が参入しない隙間の事業ですから、価格競争もなく値段は契約者で値付けすることが可能になります。

現在、2時間のコンサルティングを社長と次期社長候補、統括部長、新事業に携わる営業マン2名で実施しています。社長が参加することで社員の教育時間の確保や営業予算などの決定もその場で行うため、次の日から実践でテストできる体制が見込み客を倍増しています。保険の営業で培った飛び込み営業を指導できることも評価をいただき、提案の際に提示するコンサルティングシートも独自につくり、新入社員が入ったときのことを考えてマニュアル化の指導も行います。

「現業の事業体制は変えずにプラスワンの自主企画で儲かる仕組みをつくる」

運送業という下請けイメージが強い業態ですが、元請けになれる自主企画コンサルティングを提供した事例です。