コンサルティング実績例

【1】売上高 7,000 万円の損保代理店が法人開拓に転換

創業30年、自動車保険をメインに父親が開業。5年前から2代目の長男に引き続き業績は微増。金曜日の夕方や土日に掛かってくる車両入替の電話で、プライベートの区別がつかない仕事に「仕方ない・・・」の雰囲気が家庭にも漂う始末。法人向けの保険商品開拓への転換を目的にコンサルティングを依頼されました。

最初はスポットコンサルティングで現在の状況をリサーチしました。契約者の1/3は50歳以上の個人で、更新手続きは電話対応が60%、残りは訪問のようです。火災保険のクロソリ契約もあり、満期の時期を見ながら効率の良い訪問をされています。法人の大口フリート契約もあり、毎年の更新はハラハラ・ドキドキとのこと。

高齢の契約者が車を手放したり、若者が車を購入してもディーラーで自動車保険に加入するなど、環境が厳しくなることに不安を感じて担当の保険会社にも相談をされました。法人への多種目販売を行い、バランスのよい商品を扱うことで経営も安定すると聞かされて保険会社の勉強会にも積極的に参加されて保険商品の知識を取得されました。その結果、他社より割安と聞かされた全国の団体保険を販売することにしました。

その結果は・・・

知り合いの経営者から4件の契約をもらい好調なスタートでしたが、それからは鳴かず飛ばずとなり、益々不安が増していったそうです。フリート契約のお客様にご案内しても、労災の事故対応経験が乏しく契約に至らなかったようです。新規法人への飛び込みではチラシを配布して近隣を回りましたが経営者には会えず、問い合わせもなかったようです。

まさに「2:8の法則を突破するビジネスの考え方」が必要です

パレートの法則で言う2割とは、知り合いや取引先、苦労して訪問を繰り返してきた偶然の結果です。その偶然に出会ったときのために保険知識を学んでいる訳ですから、残りの8割は保険の話すら聞いてもらえない大変非効率な時間帯で、精神的にも続けることが困難になるほど追い込まれる時期です。新人ならやるしかありませんが、既に契約を持った店主であればそんな苦労をするなら今の自動車保険で単価アップを狙った方が楽だと思ってしまいます。

スポットコンサルティングで見えた課題は、提案先ターゲットの選定と営業の仕組化、特化するためのまとを絞った保険商品知識のスキルアップでした。訪問する会社はどんな業種にするのか、売上高はどのくらいなのか、どんなリスクがその業種にはあるのか、自社の営業体制の仕組化と商品知識の向上です。社長と営業マンの男性で月1回のコンサルティングと、2週間後には行動報告と保険商品のスキルアップ研修をオンラインで行いました。

半年後、団体保険の獲得契約数は月平均3~4件に向上、年間獲得保険料70万円までペースが上がりました。非効率と言われる8割の時間帯に営業先ターゲットを決めて、相手に話を聞いてもられるような戦略をつくり、着座する確率を上げることで契約数は必ず向上します。話を聞いてもらえるということは営業ができる打席を増やすことですから、次は戦術を考えて打率を上げる仕組みをつくることで契約に結び付けます。営業の基本の「き」は、相手に話を聞いてもらえる環境を、自らがどう整えていくかです。

「保険の話を聞いてもらう」から「会社の魅力を伝えられる環境をつくること」個人事業からの脱却と法人営業への転換事例です。

【2】運送業で新事業立ち上げの営業コンサルティング

創業27年、社長が裸一貫で軽貨物運送から事業を興して売上高は1.9億円、現在は従業員数30名を超える運送業。機械や什器備品の設置、いわゆる据え付け業が売上の50%を占める特徴的専門知識を武器に売上を伸ばしています。大手運送会社の下で働く運送業の世界で、利益率の高い元請けへの転換を模索。自社で引っ越し事業の立ち上げを試みたものの、営業のやり方が分からずコンサルティングを依頼されました。現業の業績は右肩上がりなので現在の経営を維持しつつ、利益率のアップや元請けに振り回されない新事業を立ち上げて、下請け事業比率を減らしたい。そのための営業コンサルティングとノウハウの提供を希望されるとのことでした。

「現業+自主企画のプライベートブランドビジネスの構築」

弊社が最も得意とするコンサルティングのひとつです。現業のオンリーワン事業から多種目展開への分散経営と元請け新事業の発掘コンサルティングでの依頼です。今回は個人向けの引っ越しという社長の思惑がある程度決まっていた様子で、営業コンサルティングの仕組化と営業指導に注力したいと思っていらっしゃいました。

事業全体を把握するための「業務フローリスクマップ」を開始。経営者から創業当時から現在までの年表履歴をヒアリングして、社長の事業構想と未来ステージ、新事業の方向性を一緒に検討していきます。業務フローリスクマップで会社を分析すると社長が気づいていないこと、見えていないことが分かってきます。

「個人の引っ越しだけで終わるのは勿体ない!」

50%を占める得意分野でもあり会社の強みは「据え付け事業」です。新事業を立ち上がる際に最もリスクが低いやり方は、現業のノウハウを使った提案先が違う事業への転換です。社長に提案したコンサルティングは、荷物の配送時に据え付け営業をアピールして仕掛けること、据え付け工事も依頼ができる引っ越しサービスの提案でした。引っ越し作業はシーズンが偏っていますし、他のライバルも沢山いますから価格競争に巻き込まれやすい業態です。しかし据え付け事業は物を移動して設置する仕事になりますので365日仕事があります。お年寄りがタンスを2階から1階におろして欲しいと依頼を受ければ仕事になります。タンスだけなら勿体ないから、これもあれも移動してもらおうか、移動してもらったら不要なものが出てきたので廃棄して欲しい、生活環境が不便になったのでちょっとしたリフォームもお願いしたい、などなど。ちょっとした据え付け作業でリフォーム工事に至るまでの導線を描いた営業戦略をご提案しました。大手の運送業が参入しない隙間の事業ですから、価格競争もなく値段は契約者で値付けすることが可能になります。

現在、2時間のコンサルティングを社長と次期社長候補、統括部長、新事業に携わる営業マン2名で実施しています。社長が参加することで社員の教育時間の確保や営業予算などの決定もその場で行うため、次の日から実践でテストできる体制が見込み客を倍増しています。保険の営業で培った飛び込み営業を指導できることも評価をいただき、提案の際に提示するコンサルティングシートも独自につくり、新入社員が入ったときのことを考えてマニュアル化の指導も行います。

「現業の事業体制は変えずにプラスワンの自主企画で儲かる仕組みをつくる」

運送業という下請けイメージが強い業態ですが、元請けになれる自主企画コンサルティングを提供した事例です。

【3】獲得保険料2.1億円の生損保代理店向け営業活動改善コンサルティング

創業10年、研修生を卒業された若手社長。自社は社長とクラークの2人で効率の良い仕事をされていました。昨今の組織化や獲得保険料1億円以上を目指す戦略を機に、保険会社からの協力もあって老舗の代理店を紹介されてM&Aで吸収。相手先の代表者は退かれるという条件で営業社員3名とクラーク1名を社員に向かい入れました。経営に対する理念や研修を行いコミュニケーションの構築に努力しましたが売上は微増、最近は新しい保険商品も販売せずに同条件での契約が続いています。生命保険の契約があれば給料も増えるので、現状で良いと思っている社員の雰囲気も気になり、第三者機関として営業を見て欲しい、他の代理店の営業のやり方も教えて欲しい、との依頼をいただきました。

こちらは当初オンラインでのスポットコンサルティングを希望されて実施。先ずは現状のお話を1時間ほどお聞きしました。「M&A前の業績は聞いていたので同等の手数料が入りながら、営業成績を上げて行けば良いと思っていた。」とのこと。2人のときはクラークもよく働いてくれて効率が良く利益率も良かったがM&A後の利益率は下がっている様子。生命保険で契約した臨時収入が定期的に入れば安定するものの、本業の損保経営に不安を感じていらっしゃるとのこと。

M&Aで大切なことは買収先のデューデリジェンスです。対象代理店の規模や手数料収入を調査することも必要ですが、買収後のリスク想定が甘いとこのような結果を招いてしまいます。M&Aとは本来お互いが成長して利益を大きくするために行うもので、それが実現しなければしない方が安全です。リスクの回避の分野で「何もしない」ということが成長を妨げない得策だからです。

お話を聞いた段階で容易に原因が推測できました。もともと買収先の代理店さんは損保

だけの売上高が2,500万円前後、経営者と営業社員3名、クラーク1名で換算するとひとり頭の売上責任額は500万円です。社長の契約者は3名の社員に振り分けていますし、クラークは営業していませんので、実質売上をつくっている社員は3名です。ざっと、獲得保険料は1億円か1千万円をプラスするあたりで、ひとりの営業マンで更新責任額は4,000万円と想定できます。

バミューダトライアングルの4,000万円が一番厄介

4,000万円という数字を毎年更新しながら新規営業をするという社員のスタイルが一番厄介です。毎日事故の対応をしながら更新作業を行わないといけないので、そこそこ忙しい作業になりますが、かと言って人にやってもらうには中途半場な数字ですので、結局はクラークの力を借りずにできてしまいます。仕事をしているようで頑張っていないゾーン、バミューダトライアングルの4,000万円のゾーンで忙しいけど数字が上がらない、働き方が見えなくなって迷子になる領域です。担当している営業マンも営業に対するプライドが高くや口も達者です。おそらくクラークは電話対応や簡単な見積印刷、雑多な仕事に追われていると感じます。

SSLSTの導入で営業を体系化する仕組みをつくる

先ずは営業のやり方を変えることを第一番目のコンサルティングとしてお引き受けしました。一番肝になる安定的に利益を出す現業が不安定であれば修復する必要があります。既に保険に携わっていらっしゃるので営業のトークは次の段階として、営業の行動を標準化して仕組みにする必要があります。それぞれが思い思いの動き方を止めて、何故その動きをするのかという目的と動きの仕組みをつくっていきます。同時にSSLSTの営業行動を記録する日報も提供していきます。この日報は驚くような効果を発揮してくれます。「今日は〇〇会社に訪問したが社長は不在だったので来週訪問することにした」というテキストはNGになりますので、社長は同行をしなくてもSSLST日報を見るだけで、社員の1日の営業行動を読み取れるような仕組みを構築していきます。

コンサルティングを開始して6ヶ月で社員の動きが変わる

SSLST営業は社員に共通言語を構築することができます。

「今どこのS?」

「はい、ソリューションのSです」

「じゃあ、次回はTだな。Sを入れた見積書はできている?」

と言う感じです。共通する動きと考え方を構築することで無駄な動きや自分勝手な行動を抑制して、効率化という機能がはじめて生まれてきます。営業とクラークが一体となった仕組みを構築することで会社は利益率を向上させることができます。利益率が上がれば社員の給料も良くなる、循環する仕組みの機能を構築することが経営者の役目です。損保営業の動きが変われば生保の契約も計画を持って獲得できるようになりましたので売上は前年同月で20%向上しました。生保の契約は利益率を向上させてくれるひとつのきっかけになります。現在も損保での利益率を上げるコンサルティングを引き続き導入していただいていますので、3億円の壁を打ち破る日もそう遠くないことでしょう。

営業のやり方を改善して利益率を向上させるコンサルティングの事例です。